疑問にお答えします!

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Q1 なぜ8%の維持(10%強行された場合は8%に戻す)ではなくて「5%に戻せ!」を主張するのですか?
A1 「消費税5%に戻せ!」というのは、今の苦しい生活を少しでも楽にしたいという願いの表現です。

 「10%ストップ」の合言葉は「いま上げるべきではない」でした。これは、「いま」日本経済も国民生活も疲弊しきっているからにほかなりません。10%実施を前にして「駆け込み需要」らしいものが見られないことが話題になっていますが、駆け込む余裕がないほどに疲弊しきっているのです。
 私たちは、これほどまでに日本経済と国民生活を疲弊させた大きな要因として、消費税8%への引き上げがあることは間違いないと考えています。消費税5%のときの消費税収は約10兆円でしたが、消費税8%への引き上げで消費税収は約17兆円にもなりました(下図参照)。つまり、国民から7兆円もの所得が余計に奪われてしまうことになったのです(にもかかわらず、それが社会保障の充実に回っていないことは周知の事実です)。「消費税5%に戻せ!」というのは、この7兆円を私たちのフトコロに取り戻そう、という主張にほかなりません。

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 「消費税10%ストップ!」は、今の苦しい生活をこれ以上ひどいものにしないでほしい、という願いの表現でした。「消費税5%に戻せ!」は、今の苦しい生活を少しでも楽にしたい、という願いの表現なのです。
 大企業・富裕層への減税と消費税の増税が並行して進められてきた流れを、ここで根本的に転換させましょう!
 
Q2 消費税5%なんて生ぬるいです。廃止を主張すべきではないですか?
A2 30年間続いた消費税増税の流れを廃止の方向に根本的に転換させるために、「5%に戻せ」を主張しているのです。

 お気持ちは大変よく分かります。私たちも、消費税は最悪の不公平税制であり、1日も早く廃止されるべきだと考えています。ただ残念ながら、現時点においては、廃止を支持する人々は非常に少数(「東京新聞」が今年7月に行った世論調査では7%)であり、消費税廃止を主張する政党の勢力(れいわ新選組や日本共産党)も、非常に小さいという状況があります。
 こうした状況において、いま緊急に必要なのは、30年間続いてきた消費税増税の流れをともかく転換させ廃止に向けての歩みをスタートさせることではないでしょうか。私たちは、そのために、「いまの苦しい生活を少しでも楽にするために、当面せめて5%に戻せ!」という一致点で幅広く国民の要求を結集する必要があると考えます。国民の意志で税制を変えるという経験こそが、消費税廃止への道を確実に切り開く力となるのではないでしょうか。
 最終目標は消費税の廃止です。消費税の廃止を圧倒的な世論とするために、地道に頑張っていきましょう!

Q3 消費税は将来的には廃止されるべきだと思いますが、廃止にむかう道筋として、なぜ5%への減税を求めるのですか? 食料品など生活必需品の非課税ということではダメなのですか?
A3 消費税の仕組みを今まで以上に複雑化させ、社会を混乱させる複数税率は導入すべきではなく、単一税率を維持したまま廃止の方向に持っていくべきだと考えます。

 消費税は将来的に廃止すべきだという人の間には、“過渡期”の政策として、税率の5%への引き下げでなく、食料品など生活必需品の非課税(またはゼロ税率)でもいいのではないか、という意見もあります。ここはよく議論が必要なポイントです。
 例えば、標準税率は10%だが食料品などは非課税(またはゼロ税率)にするとしましょう。問題なのは、これは複数税率の導入にほかならず、納税義務者である事業者に煩雑な経理事務を強いることになるばかりか、免税事業者を取引から排除するインボイス(*)の導入が必要だとの主張の根拠にもなってしまうことです。また、現在「みりんは10%だが、みりん風調味料は8%。リポビタンDは10%だが、オロナミンCは8%……」というようなややこしさが大問題になっているように、どこまでが非課税対象商品なのかの線引きで社会的に大混乱が生じるのも必至です。中小業者の営業と暮らしを守る運動体である民商・全商連(民主商工会・全国商工団体連合会)が、消費税5%への減税を主張しているのは、そういう事情も踏まえてのことです。ちなみに、全商連は、8月末に開催された第2回理事会で、この秋、消費税の5%への減税、複数税率・インボイスの廃止を求める国会請願署名に取り組むことを決めています。
 私たちは、ただでさえ複雑で分かりにくい消費税の仕組みを、今まで以上に複雑怪奇なものにしてしまう複数税率の採用については、たとえ生活必需品を非課税にするという意味であっても、慎重であるべきだと考えます。単一税率を維持したまま、廃止の方向へと持っていく方が現実的なのではないでしょうか。
 なお、廃止までの過渡期においては、医療機関の「損税」を解決するために、医療費を非課税ではなく輸出と同じ「免税(ゼロ税率)」にする、といった改革は必要になるでしょう。

* 適格請求書。これがなければ仕入税額控除ができないため、インボイスを発行できない免税業者が取引から排除されることが懸念されています。詳しくはこちらをご覧ください。

Q4 野党の中には、社会保障財源として将来的には消費税の増税が必要だという声もあります。いまの野党共闘の一致点は、現在の経済状況では消費税8%を維持すべきだ、ということであって、ここに「消費税5%に戻せ!」という要求をぶつけると、野党共闘を乱すことになってしまうのではないですか?
A4 一人ひとりの市民が、政党の政策や野党共闘の一致点を気にして、切実な要求の声を上げることを差し控える必要は全くありません。私たちの運動が、野党共闘の一致点を前進させていくのです。

 いまの野党共闘の中には、将来的には消費税の増税が必要だという政党も、将来的には消費税を廃止すべきだという政党も存在しています。これらの政党が参院選前、市民連合との間で調印した政策合意書に「2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること」と明記されているのは、非常に重要なことです。
 いま、野党は10月からの消費税10%実施反対でまとまっており、立憲民主党などは10%になってしまった場合は8%に戻す法案を出すとしています。私たちは、仮に消費税10%の実施が強行された場合、国民生活のこれ以上の悪化を防ぐため野党が緊急に消費税を8%に戻す法案を提出してたたかうのであれば、もちろんこれを支持します。
 同時に、A1でも述べたように、私たちは現在の苦しい生活を少しでも楽にしたいという切実な要求にもとづいて、それぞれの立場から「消費税5%に戻せ!」の声を上げているのです。そもそも、労働組合の運動は現場の労働者の切実な要求にもとづいて進められるものであり、中小業者団体の運動は現場の中小業者の切実な要求にもとづいて進められるものです。女性の運動、青年の運動なども同じです。政党の役割は、これら現場の人々の切実な要求を汲み取って政策化し、実現させていくところにあります。一人ひとりの市民が、切実な生活の実感から声を上げることについて、特定の政党の主張や野党共闘の現状での一致点にあわせて抑制する必要は全くありません。私たち自身の切実な要求にもとづいた運動こそが、野党共闘の一致点を前進させていくのです。

Q5 消費税を減税して社会保障の財源はどうするのですか。税収が足りなくなって公共サービスが切り捨てられる「小さな政府」になってしまうのが心配です。それとも、財政赤字を気にせずどんどん国債を発行すればよいとでもいうのでしょうか。
A5 税金は大企業や大金持ちなど強い者から取るという応能負担の原則にもとづいた公正な税制の実現で、社会保障の財源を確保していくことは十分に可能であると考えます。

 私たちの考え方は、呼びかけ文に書いてあるとおりです。消費税は、弱い者ほど大きな犠牲を強いられる最悪の不公平税制であり、社会保障の財源にもっともふさわしくありません。税金は大企業や大金持ちなど強い者から取るという応能負担の原則にもとづき、法人税への累進性の導入・大企業向けの特別の減税措置の撤廃、所得税の総合課税・累進性の強化などを進めることで、公正な税制を実現していくべきです。不公平な税制をただす会編『消費税を上げずに 社会保障財源38兆円を生む税制』(大月書店、2018年)では、こうした改革で税制のゆがみをただせば、子育て、教育、福祉の財源は十分に捻出できることが説かれています。
 なお、一部には、消費税の廃止や5%への減税の主張について、MMT(現代貨幣理論)など、財政赤字など気にせず人々の生活を良くするために積極的な財政出動を行うべきだという、いわゆる反緊縮の経済政策理論と結び付けて捉える向きもあります。しかし、先にみたとおり、消費税の減税や廃止を主張することは、こうした反緊縮の経済政策理論を受け入れるか否かにかかわりなく可能なものです。
 「消費税5%に戻せ!京都デモ」の呼びかけ人・賛同人の中には、反緊縮の経済政策理論を支持する人も、批判的な見解を持つ人もいますが、消費税の減税から廃止へという方向性で共闘しています。反緊縮の経済政策理論においては、税制の「景気の自動安定化装置」としての側面が重視されます。すなわち、好況時は自動的に増税となって景気の過熱を抑え、不況時は自動的に減税となって景気の落ち込みを防ぐような、累進性の高い所得税、儲けが出なかったら課税されない法人税こそが、景気の変動を抑える優れた税制だと捉えられるわけです。これは、税金は大企業や大金持ちなど強い者から取るという応能負担の原則にもとづいた税制と一致します。反緊縮の経済政策理論を支持する人も、批判的な見解を持つ人も、応能負担の原則にもとづいた公正な税制=景気安定化の機能を有する税制の実現という方向性で共闘できるのです。

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